第一講:DMOやDMCって何?


 日本版DMOの定義は観光庁のHPの通りですが、今までの「観光案内所」や「観光協会」と何が違うのかシンプルに説明しますと、宿泊施設や観光名所の紹介業務だけでなく・・・

  1. 戦略的に決定されたエリア(自治体の区域に限らず)を対象にする
  2. そのエリアの利害調整のプラットフォーム機能がある
  3. マーケティング活動を自ら行う
  4. 商品企画・販売機能がある

・・・といった特徴・機能を備えた組織を一般的にDMOと呼び、観光案内所や観光協会と区別されるわけです。目的地(Destination)をマーケティングしたりマネジメント(Marketing/Management)したりする機関(Organization)だからDMOというわけですね。

 

 なお欧米諸国において運営母体で一番多い(約5割)のが政府からの委託によるNPOであり、次に多い(約2割)のが政府や自治体そのものが運営しているケースです。そのためDMOのOは機関(Organization)であることが一般的ですが、DMCという単語も稀に見かけます。これは運営母体が一般企業(Company)であるケースであり、DMOとDMC(※)とで機能に違いがあるわけではありません。

 

 日本版DMOにおいては、その多くが観光案内所や行政の観光協会を母体としていますが、新たに法人を設立して登録を受けています。ただその法人格は営利企業ではなく「一般社団法人」が多いため、名実ともにDM「O」が多くなっています。その登録要件はコチラから参照できますが、ここにも記載のある通り、必ずしもDMOが稼ぐ必要はなく、あくまでエリアにカネが落ちる仕組みを造れればOKという立てつけのため、観光協会などが無理なくDMOに移行できるようになっています。DMOになったからといって前述のDMOの2~4の機能について全てまんべんなく行わなければいけないというものではないのです。むしろDMOはその基盤となる三要素のバランスで組織の注力すべき機能が決まります。これは第二講で学習します。

 

 なお、観光協会や観光案内所からDMOに名称や組織を変えてもすぐにDMOとして活動できるわけではありません。簡単に乗り越えることのできない「構造的な問題」にこれらのDMOは直面することになります。これらは第三講で学習します。

 

(※)内閣府が主導するDMCについては第五講を参照してください。