18.物件を精査その3:消防法への適合


 今までは役所の建築課で主に建築基準法、保健所では旅館業法への適合をチェックしてきましたが、内見時に得た建築図面(※)を持って、別途管轄の消防署の予防課に必要な消防設備・器具についてアドバイスをもらいに行くことをおすすめします。消防署には、第21項で述べるように、旅館業の許認可申請時や賃貸契約後のリフォーム工事における防火対象物工事の計画届出や使用開始届出を出しに行くので、早めに顔見知りになっておくことがベターです。

 

(※)契約しないと建築図面を渡せない、といわれたら平面図をもっていくことになります。平面図だけでは有用なアドバイスは受けられない可能性が高いですが、賃貸の場合、前のオーナーが防火対象物使用開始の届出を消防署にきちんと出していれば、予防課担当者のアタマにどんな物件設備か記憶として残っているかもしれません。なので事前に足を運ぶ価値はあります。


避難構造関連項目の確認

 「とりあえず図面見て教えてください」、では消防署も困ってしまいます。以下の旅館業に関する消防法の基本を押さえたうえで、質問をアナタから投げかけましょう。(この物件はこういう物件なのでこういう構造が必要という認識であってますか?、という聞き方)きちんと消防法上、旅館業を営める物件か事前に確認しておく大事な作業です。


避難設備関連項目の確認

 建物の構造以外にも設置を求められる設備が多いので、ヒアリングして予算に盛り込みましょう。


<お役立ちリンク>


コラム:自動火災報知機の設置

  • 300平米以上500平米未満で、今まで複合用途に供されている部分が150平米未満の物件だったら、自動火災報知機設備の有無も確認しましょう。免除を受けていて、ついてない可能性もあります。
  • 消防法令の改正により、アナタがこれからゲストハウスを始めるなら自動火災報知機設備の導入は規模を問わず必須になります。導入費用は100万円~300万円ぐらいですね。最近は無線式のモノも許可され、工事は簡単になってきました。
  • なお平成30年までに300平米以上なら、宿泊業に供さずとも共同住宅なら自動火災報知機の設置は「必須」ですので、賃貸の場合なら大家さんに折半の打診などしても良いかもしれませんね。