今までは役所の建築課で主に建築基準法、保健所では旅館業法への適合をチェックしてきましたが、内見時に得た建築図面(※)を持って、別途管轄の消防署の予防課に必要な消防設備・器具についてアドバイスをもらいに行くことをおすすめします。消防署には、第21項で述べるように、旅館業の許認可申請時や賃貸契約後のリフォーム工事における防火対象物工事の計画届出や使用開始届出を出しに行くので、早めに顔見知りになっておくことがベターです。
(※)契約しないと建築図面を渡せない、といわれたら平面図をもっていくことになります。平面図だけでは有用なアドバイスは受けられない可能性が高いですが、賃貸の場合、前のオーナーが防火対象物使用開始の届出を消防署にきちんと出していれば、予防課担当者のアタマにどんな物件設備か記憶として残っているかもしれません。なので事前に足を運ぶ価値はあります。
「とりあえず図面見て教えてください」、では消防署も困ってしまいます。以下の旅館業に関する消防法の基本を押さえたうえで、質問をアナタから投げかけましょう。(この物件はこういう物件なのでこういう構造が必要という認識であってますか?、という聞き方)きちんと消防法上、旅館業を営める物件か事前に確認しておく大事な作業です。
建物の構造以外にも設置を求められる設備が多いので、ヒアリングして予算に盛り込みましょう。
<お役立ちリンク>
非常用照明は停電時に自動で点くライトのこと。こちらは増設は基本的に電気工事が必要になる。
誘導灯は非常口の場所を示すもので、電池式や蓄光式のものでも場合によってはOK。