17.物件を精査その2:水回りの改装


 用途変更関係は役所の建築課ですが、それとは別に管轄の保健所の衛生課マイソクをもって行き、水回りの改装に備えた情報を中心に確認しておきましょう。

  • トイレや入浴設備について、数(※1)だけ揃っていればOKとする自治体と各フロアの宿泊人数に応じて、各フロアに個別に設置せよ、という自治体があります。
  • 入浴設備については数は定められていないことが多いですが、自治体によって、浴槽を必須(シャワーのみではダメ)とする場合がありますので注意しましょう。

 保健所によっては『旅館業の手引き』のような冊子をくれることもあります。なお、100m以内に学校や児童公園、図書館などが近くにあると旅館業の申請そのものが不許可になる可能性があります。これも保健所で確認しておきましょう。

 

(※1)宿泊客数に対し、自治体の旅館業法施行細則などでトイレの数が定められていることが多く、大抵どこの自治体も以下の数(つまり増設)が必要になります。

 平成29年の旅館業法改正に伴う、衛生管理要領等の要領改正で、上記の宿泊人数に対するトイレの数の要件はなくなりました!しかしながら既存事業者との不公平感のバランスがあるので、自治体のガイドラインベースで求められるかもしません。保健所に確認しておきましょう。


物件内覧時の確認事項

 ここまでの要件をクリアできた物件には、不動産屋に連絡して内見をさせてもらいましょう。その際、以下を確認しましょう。これらは工事のし易さ(費用と工期)に影響をあたえます。できれば内覧時に水回りのリフォーム業者の担当者にも一緒に来てもらい増設時の見積もりを後日もらいましょう

  • 水道管の太さ

⇒まずは水道管の太さですが、これはトイレというよりも入浴施設のシャワーなどの水圧を左右します。13mmだと多人数使用時に耐えられないので、ポンプやタンクを置かないといけません。その分の費用(50万円~)とスペース(2帖~)が必要になります(※2)。ポンプはウィーンという機械音がするので、近くに寝室を設けると嫌がられるかもしれません。

  • 下水道(丸いマス)と上水道(四角いマス)の位置

⇒上下水道の配管の位置ですが、スケルトンの場所に新たにトイレやシャワーを増設する際にどこにそれらを設置するかを左右します。また下水が浄化槽から切り替える方式だと下水道料金が発生します。上水道が道路からでなく隣地から引き込まれていると工事の際に隣地の許可が必要になります。上下水道の配管図は「建築図面」に載っていますので不動産屋に内見時にもってきてもらうよう要求しましょう。(下水道などは東京都の場合ネットからでもどのように引き込まれているか確認できます)。

 

(※2)物件購入の場合、意を決して太い水道管にするのもアリです。ただ道路を引っぺがしての工事を要する可能性もありますが・・・なお太さや配管の位置は、地番がわかれば役所の上水道課、下水道課でも確認できます。


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